広島の経済活性化に必要なこと
  広島で、1日10円の日刊メルマガを配信しております。今年1月26日付けの広島eマガジンに、「広島が経済活性化しないのは、安芸門徒のせいかもしれない!? 」という記事を掲載してところ、僧侶に縁のある業界のある社長さんが、「あの記事に書かれている通りだと思いますよ」と、ある交流会で声をかけていただきました。その原稿を推敲して、情報提供させていただきます。
  
  広島が経済活性化しないのは、妖怪のせい・・・じゃなかった、安芸門徒のせいかもしれないというのを考えてみました。
  どういうことかといいますと、仏教というか、法華経を学び、宮沢賢治がなぜ浄土真宗から法華経信仰に改宗したのか?などの情報を見ている内に、気がついたことがあります。
  
  法華経に信奉していた宮沢賢治は、お父さんに浄土真宗から法華経に変えるよう進言し、親子げんかとなります。宮沢賢治のお父さんは、お寺の檀家総代をされていたぐらい、浄土真宗を信じていた方でした。
  でも、宮沢賢治は死んだ後、極楽浄土を願う浄土真宗ではなく、今生きていることを重要視するよう、法華経を薦めます。
  宮沢賢治の法華経の精神は、「雨ニモマケズ」の「行ッテ」という部分だそうです。(宮沢賢治の弟さん、清六さんのお孫さんの講演・YouTubeより)
  ただ、南無阿弥陀仏を唱えていけば、きっと、いいことになるという考えを否定し、実際に行動することの重要性を謳った詩でもあります。
  
  ちなみに、「北ニケンクヮヤソショウガアレバ ツマラナイカラヤメロトイヒ」には、「行ッテ」がありませんが、校正のメモ書きには「行ッテ」という文字がちゃんとあります。
  東ニ病気ノコドモアレバ
  行ッテ看病シテヤリ
  西ニツカレタ母アレバ
  行ッテソノ稲ノ朿ヲ負ヒ
  南ニ死ニサウナ人アレバ
  行ッテコハガラナクテモイヽトイヒ
  北ニケンクヮヤソショウガアレバ
  ツマラナイカラヤメロトイヒ
  
  浄土真宗の「他力本願」というのもどこか、間違った解釈をされている傾向があり、本来は自力を出し切った後は、他力に頼るしかないわけで、自力を出さない、努力しない他力というのは、ない話です。
  例えばですが、「結婚したいけど出会いがない」という女性がいて、いきなり、その人の家に、白馬に乗った王子様がドアをノックしたりはしません。
  家と会社の往復だけでない、自分がやりたい、出来る行動を取った後、後は他力に頼るしかないって感じかなと思います。
  安芸門徒の広島、親方日の丸、行政がとか、マツダがとかという他力本願ではない、感覚が必要な気がしています。というか、安芸門徒のマインド、精神性がこの街の雰囲気なのかなあと思ってしまいます。
  
  余談ですが、宮沢賢治のお父さんは、宮沢賢治が亡くなった後、浄土真宗から、法華経に変わります。そして、先祖のお墓も動かします。
  トーマス・エジソンもカーネル・サンダースもウォルト・ディズニーも、行動し続けた結果で偉業を達成することができました。
  といったような感覚を、この街の安芸門徒の人がちょっと思考を変えていただけたら、この街の全体的な雰囲気が変わるのかも・・・
  
  こんな緑いっぱいの街を作ってきた広島人だから、他力本願の前に、自分にとっての「自力」とは一体何なのか、自分は何ができ、何をしたいのだろうということうに向けて、自分自身の頭で考え始めた時に、この街はより活性化するような気がします。
  
  他力が動くまで、天が見方してくれるまで、天は自ら助くる者を助く・・・ですから、それまで、まずは「自力」で歩くこと、「自力」を発揮することに注力されてみてはいかがなものでしょうか!?
  
  
  
  
  広島のメディア発行人・・仏教ジャーナリスト 長谷川嘉秀氏のホームページはこちら
  
